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外国人が日本で刑事事件を起こすと、在留資格はどうなる?

2022年11月09日
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外国人が日本で刑事事件を起こすと、在留資格はどうなる?

2020年10月1日時点における千葉市美浜区の外国人住民人口は7297人でした。中には、何かしらの事件に巻き込まれた方もいらっしゃるかもしれません。

外国人が犯罪の疑いで逮捕された場合、強制退去や在留期間の経過に注意しなければなりません。強制的に自国へ送還され、家族や友人と離れ離れになってしまう事態を防ぐためにも、早期に弁護士のサポートを受けることをおすすめします。

今回は、外国人が刑事事件で逮捕された場合における、在留資格の取り扱いや刑事手続きの流れなどについて、ベリーベスト法律事務所 海浜幕張オフィスの弁護士が解説します。

出典:「千葉市統計書(令和3年度版)」(千葉市)

1、外国人が刑事事件で逮捕されたら、強制退去させられる?

外国人が犯罪の疑いで逮捕された場合、
「日本から強制退去させられるのではないか」
とご本人やご家族は不安になる場合もあるかと思います。

しかし結論としては、逮捕そのものを理由として在留資格を取り消されることはありませんのでご安心ください。

出入国管理及び難民認定法(出入国管理法)第24条では、外国人の強制退去事由を以下のとおり定めています。

1 有効なパスポートを所持せずに入国した者

2 入国審査官による上陸の許可等を受けないで入国した者

3 偽りその他不正の手段により上陸許可の証印・許可等を受けたことにより、法務大臣に在留資格を取り消された者

4 正当な理由なく在留資格に応じた活動を行わず、かつ他の活動を行ったこと等により、法務大臣に在留資格を取り消された者

5 他の外国人の不正入国を助けるため、文書・図画の偽造・変造等を行った者

6 公衆等脅迫目的の犯罪行為、その予備行為、またはその実行を容易にする行為をするおそれがあるとして法務大臣が認定する者

7 国際約束により入国を防止すべきとされている者

8 外国人に不法就労活動をさせる行為などをし、唆し、または助けた者

9 在留カード・特別永住者証明書の偽造・変造などを行い、唆し、または助けた者

10 以下のいずれかに該当する在留外国人
  •  (a)在留資格に応じた活動の範囲に違反して、収入を伴う事業活動や報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く)
  •  (b)在留期間を経過して日本に残留する者
  •  (c)人身取引等を行い、唆し、または助けた者
  •  (d)旅券法違反で刑に処せられた者
  •  (e)集団密航者を入国させた罪などで刑に処せられた者(出入国管理法違反)
  •  (f)在留資格に応じた活動の範囲に違反して、収入を伴う事業活動や報酬を受ける活動を行った罪により、禁錮以上の刑に処せられた者(出入国管理法違反)
  •  (g)1951年11月1日以後に、長期3年を超える懲役・禁錮に処せられた少年
  •  (h)1951年11月1日以後に、麻薬関連犯罪によって有罪判決を受けた者
  •  (i)(d)から(h)のほか、1951年11月1日以後に無期または1年を超える懲役・禁錮に処せられた者(実刑部分が1年以下の場合を除く)
  •  (j)売春やその周旋・勧誘・場所の提供、その他売春に直接関係がある業務に従事する者(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く)
  •  (k)他の外国人の不法入国をあおり、唆し、または助けた者
  •  (l)日本政府を暴力で破壊することを企て、主張し、またはこれを企て、主張する団体を結成し、もしくはこれに加入している者
  •  (m)暴力的な政党その他の団体を結成し、これに加入し、またはこれと密接な関係を有する者
  •  (n)暴力的な政党その他の団体の目的を達するため、文書図画を作成・頒布・展示した者
  •  (o)(a)から(n)のほか、法務大臣が日本国の利益・公安を害する行為を行ったと認定する者

11 以下の犯罪によって懲役・禁錮に処せられた在留外国人
  • 住居侵入等
  • 通貨偽造の罪
  • 文書偽造の罪
  • 有価証券偽造の罪
  • 支払用カード電磁的記録に関する罪
  • 印章偽造の罪
  • 賭博及び富くじに関する罪
  • 殺人の罪
  • 傷害の罪
  • 逮捕及び監禁の罪
  • 略取、誘拐及び人身売買の罪
  • 窃盗及び強盗の罪
  • 詐欺及び恐喝の罪
  • 盗品等に関する罪
  • 暴力行為等処罰に関する法律違反
  • 盗犯等の防止及び処分に関する法律違反
  • 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反
  • 自動車運転処罰法違反

12 短期滞在の在留資格者で、国際競技会等の経過・結果に関連して、またはその円滑な実施を妨げる目的をもって、開催場所等において不法な殺傷・暴行・脅迫・物の損壊を行った者

13 中長期在留者で、以下の犯罪によって懲役に処せられた者
  • 在留資格に関して虚偽の届出をした罪
  • 在留カード不受領の罪
  • 在留カード提示拒否の罪

14 仮上陸の許可を受けた者で、条件に違反して逃亡し、または正当な理由なく呼出しに応じない者

15 特別審理官による退去命令を受けたにもかかわらず、遅滞なく日本から退去しない者

16 一時的に上陸の許可を受けた者で、上陸許可の期間経過後も日本に残留する者

17 船舶観光上陸の許可を受けた者で、指定旅客船が出港するまでに帰船せず逃亡した者

18 船舶観光上陸の許可期間を経過したにもかかわらず、帰船または出国しない者

19 乗員上陸の許可期間を経過したにもかかわらず、帰船または出国しない者

20 国籍離脱・出生その他の事由により、上陸の手続きを経ることなく日本に在留する者で、所定の許可を得ることなく、当該事由が生じてから60日を超えて日本に残留する者

21 出国命令を受けたにもかかわらず、出国期限を越えて日本に残留する者

22 住居・行動範囲の制限などの条件に違反して、出国命令を取り消された者

23 難民認定を取り消された者


上記の通り、一部の犯罪によって刑に処せられたこと、および有罪判決を受けたことは強制退去事由に挙げられていますが、「逮捕された」だけでは強制退去事由に該当しません

2、外国人が有罪判決を受けた場合、強制退去させられる?

逮捕されただけの場合とは異なり、有罪判決を受けた、または刑に処せられた外国人については、国外強制退去の対象になり得るので注意が必要です。

  1. (1)一部の犯罪は強制退去の対象になる

    前述の強制退去事由から、有罪判決を受けた、または刑に処せられたことに関するものを抜粋します。

    10 以下のいずれかに該当する在留外国人
    •  (d)旅券法違反で刑に処せられた者
    •  (e)集団密航者を入国させた罪などで刑に処せられた者(出入国管理法違反)
    •  (f)在留資格に応じた活動の範囲に違反して、収入を伴う事業活動や報酬を受ける活動を行った罪により、禁錮以上の刑に処せられた者(出入国管理法違反)
    •  (g)1951年11月1日以後に、長期3年を超える懲役・禁錮に処せられた少年
    •  (h)1951年11月1日以後に、麻薬関連犯罪によって有罪判決を受けた者
    •  (i)(d)から(h)のほか、1951年11月1日以後に無期または1年を超える懲役・禁錮に処せられた者(実刑部分が1年以下の場合を除く)

    11 以下の犯罪によって懲役・禁錮に処せられた在留外国人
    • 住居侵入等
    • 通貨偽造の罪
    • 文書偽造の罪
    • 有価証券偽造の罪
    • 支払用カード電磁的記録に関する罪
    • 印章偽造の罪
    • 賭博及び富くじに関する罪
    • 殺人の罪
    • 傷害の罪
    • 逮捕及び監禁の罪
    • 略取、誘拐及び人身売買の罪
    • 窃盗及び強盗の罪
    • 詐欺及び恐喝の罪
    • 盗品等に関する罪
    • 暴力行為等処罰に関する法律違反
    • 盗犯等の防止及び処分に関する法律違反
    • 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反
    • 自動車運転処罰法違反

    13 中長期在留者で、以下の犯罪によって懲役に処せられた者
    • 在留資格に関して虚偽の届出をした罪
    • 在留カード不受領の罪
    • 在留カード提示拒否の罪


    上記のいずれかに該当する外国人は、強制退去の対象になる可能性があります。

  2. (2)法務大臣の在留特別許可について

    強制退去事由に該当する外国人についても、以下のいずれかに該当する場合には、法務大臣の裁決によって、特例的に在留が許可されることがあります(出入国管理法第50条第1項)。

    • 永住許可を受けているとき
    • かつて日本国民として、日本に本籍を有したことがあるとき
    • 人身取引等により、他人の支配下に置かれて日本に在留するとき
    • その他、法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき


    在留特別許可を受けるためには、以下の2つの異議申立てを行うことが必要です。
    なお、実際に在留特別許可が行われるかどうかは、法務大臣の完全な裁量によって決定されます。

    • ① 強制退去に関する入国審査官の通知に対して、通知日から3日以内に、口頭で特別審理官に対して口頭審理の請求を行う(同法第48条第1項)
    • ② 特別審理官による口頭審理の結果通知に対して、通知日から3日以内に主任審査官に書面を提出して、法務大臣に対して異議を申し出る(同法第49条第1項)
  3. (3)収監中の在留期間の経過に要注意

    逮捕・勾留による身柄拘束中に在留期間が経過すると、期間経過後はオーバーステイ(不法残留、不法滞在)となってしまいます。

    オーバーステイの外国人は、刑事手続きの終了後に強制退去させられる可能性がありますそのため、期間経過前に弁護士などへご依頼いただき、在留資格の更新手続きを行ってください

3、外国人が逮捕された場合の刑事手続きの流れ

外国人の方が犯罪の疑いで逮捕された場合、以下の流れで刑事手続きが進行します。

① 逮捕・起訴前勾留
逮捕されてから72時間(3日)以内に、検察官が裁判官に対して勾留請求を行います。
罪証隠滅または逃亡のおそれが認められれば、裁判官は勾留状を発します。
起訴前勾留の期間は最長20日間で、逮捕と通算すると最長23日間です。

② 検察官による起訴
勾留期間が満了するまでに、検察官は被疑者を起訴するかどうか判断します。
嫌疑が確実でも、犯罪の内容や上場などに鑑みて、起訴が見送られるケースもあります(起訴猶予)

③ 起訴後勾留
検察官が被疑者を起訴した場合、以降は「被告人」と呼ばれます。
被告人は引き続き勾留されますが、保釈保証金を預けることを条件として、保釈が認められることがあります。

④ 公判手続き・判決
裁判所の法廷において、被告人による犯罪の成否および量刑に関する審理が行われます。
審理が熟した段階で、裁判所が判決を言い渡します。

⑤ 控訴・上告
刑事裁判の判決に対しては、控訴・上告の2回にわたる異議申立てが認められています。
控訴・上告の手続きを経て判決が確定し、有罪の場合は刑が執行されます。

4、外国人の刑事事件は弁護士にご相談を

外国人が逮捕された場合、身柄拘束中に在留資格が失効しないように注意が必要です。

弁護士は、迅速に在留資格の更新手続きを代行し、刑事手続きの終了後も日本に在留できるようにサポートいたします。

また、刑事手続きによって重い刑罰を受けることを避けるためにも、弁護士によるサポートが役立ちます。弁護士を通じて、検察官や裁判所に良い情状を示すことができれば、起訴猶予処分や執行猶予付判決を得られる可能性があります

犯罪事実を否認する場合には、弁護人として検察官と争います。さらに、逮捕後に家族との窓口となるのも、弁護士に依頼する大きなメリットです。

犯罪の疑いで逮捕されてしまった外国人の方や、そのご家族の方は、お早めに弁護士までご相談ください。

5、まとめ

外国人が逮捕されただけでは、直ちに国外へ強制退去させられることはありません。しかし、身柄拘束中に在留期間が経過する場合があるほか、有罪判決や刑に処せられたことによって強制退去処分となるケースがあるので注意が必要です。

ベリーベスト法律事務所は、刑事事件によって捜査の対象となった外国人の方や、そのご家族からのご相談を随時受け付けております。重い刑事罰や強制退去処分を避けるためにも、お早めにベリーベスト法律事務所 海浜幕張オフィスへご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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