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年金分割しないで離婚することは可能? 具体的な手続きや方法について

2022年01月25日
  • 財産分与
  • 離婚
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年金分割しないで離婚することは可能? 具体的な手続きや方法について

離婚の際にはさまざまな資産を財産分与として分割したり、慰謝料などを支払ったりと大きなお金が動くものです。

将来受け取る年金も離婚によって分割可能です。しかし、離婚の理由が相手にある場合、自身の年金が減ってしまう年金分割の手続きをせずに離婚したいと考える方も少なくありません。

本コラムでは、年金分割せずに離婚する方法についてベリーベスト法律事務所 海浜幕張オフィスの弁護士が解説します。

1、年金分割の種類とは?

まずは年金分割の概要と種類を解説します。

  1. (1)年金分割とは?

    そもそも年金分割とは、離婚する際に年金の「記録」を分割できる制度です。年金の受取金額を分割するわけではなく、記録を分割するだけなので、熟年離婚など結婚期間が長い場合でも、半分ずつに分割されるわけではありません。
    また、年金分割の対象となる年金は厚生年金や共済年金などのみで、基礎年金しか加入していない場合は分割不可能です。たとえば、夫がサラリーマンとしての勤務履歴がなく、ずっと国民年金にのみに加入しているケースなどは年金分割できません。国民年金しか加入していない方は、年金分割で配偶者に年金を分ける可能性はゼロと言えます。

  2. (2)合意分割

    合意分割とはその名の通り、夫と妻の双方の合意があった場合に任意の割合で分割できる制度です。合意分割のためには、年金事務所に「情報提供請求書」の送付を依頼して以下の種類を添付して返送します。

    • 請求者の年金手帳、もしくは基礎年金番号通知書
    • 婚姻期間がわかる戸籍謄本や戸籍の全部事項証明書 など


    さらに、夫婦で話し合い年金分割に合意した場合には、合意したことがわかる書類を持って、夫婦で年金事務所にて手続きをしなければなりません。

  3. (3)3号分割請求

    配偶者(国民年金第3号被保険者)が年金事務所に請求するだけで、年金分割が可能な制度です。ただし、2008年4月以前の積み立て分は、3号分割では分割不可能なので、「年金分割調停」や「年金分割審判」などの法的手続きによって分割するしかありません。
    3号分割が可能なのは「国民年金第3号被保険者」です。国民年金第3号被保険者とは、たとえばサラリーマンの妻である専業主婦や、社会保険の扶養の範囲内でパートをしている妻などです。

2、年金分割をしなくても良いケースはある?

では次に年金分割をしなくても良いケースについて解説します。

  1. (1)国民年金しか加入していない

    国民年金には年金分割制度はありませんので、一方の配偶者が分割しようとしても不可能です。ご自身が国民年金しか加入していない場合は、年金分割で配偶者に年金を分割する必要はありませんのでご安心ください。

  2. (2)離婚から2年が経過している

    年金分割の請求期限は「離婚をした日の翌日から起算して2年以内」と定められています。合意分割でも3号分割でも、離婚の翌日から2年が経過すると分割できませんので、すでに離婚が成立していて、何の手続きも行わずに2年たっていれば、配偶者に分割する必要はありません。

  3. (3)夫婦が年金分割をしないことに合意している場合

    夫も妻も年金分割を行わないことに合意していれば、合意分割はせずに済みます。ただし、3号分割は双方の合意は不要ですので、合意があったにも関わらず相手の気が変わって知らずに手続きされる可能性はあります
    合意分割を拒否したければ、配偶者に年金分割をしない旨を納得してもらった上で、離婚協議書などに「分割しないこと」を明記するとよいでしょう。

  4. (4)年金加入期間が10年以内

    現在、年金を受け取るために必要な期間は10年です。たとえば、夫の受給期間が10年未満の場合は年金を受け取る資格がありませんので、分割しても妻も受け取ることは不可能となります。

3、年金分割しないで離婚する場合の手続きはどうすればいい?

年金分割は、「3号分割」という制度がある以上、完全に拒否することは難しいと言えます。しかし、合意分割であれば拒否することも不可能ではありません。3号分割は、平成20年5月以降に離婚した夫婦が、平成20年4月1日以降に支払った年金の記録を原則二分の一ずつ分割する手続きです。
つまり、合意分割を拒否したら、3号分割は避けられないものの、分割する期間は平成20年4月1日以降、離婚成立までとなりますので、合意分割よりも分割する期間は短くなるのです。

● 話し合いで配偶者が合意しないことに納得したら離婚協議書に記載すること
合意分割をしたくなければ、「話し合いの段階で分割を拒否」することが重要です。話し合いの段階で分割を拒否して相手が合意すれば、合意分割は回避できます。双方が年金分割をしないことに合意した場合は「離婚協議書」にその旨を明記しましょう。

● 配偶者が裁判所に申し立てた場合に備えて相手の生活態度などの記録を準備
たとえば、夫が合意分割を拒否して、妻が納得しなければ、妻は年金分割調停や年金分割審判を申し立て可能です。その場合、家庭裁判所で調停員や裁判官が、年金分割をするかどうかを双方の主張をもとに判断します。
そもそも専業主婦の年金分割は「夫の収入は妻のサポートがあったからこそ」という考え方にのっとって制度化されました。
しかし、妻が家事や育児などを行っていなかった、義務を放棄していたなどの事実があれば、年金分割が認められない可能性があります。

4、離婚する際の手順をわかりやすく解説

最後に離婚する際の手続きを解説します。年金分割だけではなく、さまざまな話し合いが必要になりますので、こちらをきちんと把握してから離婚に向けて準備を進めましょう。

  1. (1)離婚原因の整理

    離婚は、双方の話し合いで決着がつくのであればどんな理由でも可能です。しかし片方が拒否した場合は、調停や訴訟などで話し合わなければならず、法律で離婚が認められる理由が必要となります。それを「法的離婚事由」と言います。具体的には以下の5つです。

    • 配偶者に不貞行為があったとき
    • 配偶者に悪意の遺棄があったとき
    • 配偶者が3年以上の生死不明になったとき
    • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
    • そのほか婚姻を継続し難い重大な事由があるとき


    これらの理由のいずれかに当てはまる場合は、訴訟等になっても法的に離婚が認められる可能性があります。

  2. (2)年金分割や財産分与について確認する

    離婚の際には年金分割だけでなく財産分与によって、婚姻期間中に構築した財産を分割しなければなりません。これを財産分与と言います。財産分与は、夫婦の共有財産を分割するもので、名義がどちらであっても結婚期間中に増えたものは原則二分の一ずつ分割します。
    場合によっては年金分割で、分割する金額よりも財産分与のほうが高額になることもあります

    そのため、離婚の話し合いの前に、財産分与の対象となる財産をきちんと把握しておきましょう。また、配偶者に二分の一の分割割合を認めたくないと考える方は、弁護士への相談をおすすめします。

    また熟年離婚の場合は、財産分与の対象となる夫婦の共有財産も高額になりがちですのでわずかな割合の差でも、金額は大きくなります。年金分割を拒否したいと考えている方であれば財産分与についても、対策を検討する必要があるでしょう。

  3. (3)話し合い(協議)でまとまらなければ、調停に移行

    日本では離婚の種類は以下の4種類です。

    • 協議離婚
    • 調停離婚
    • 裁判離婚
    • 審判離婚


    このうち、審判離婚はほとんど行われていませんので、事実上は3種類となります。
    協議離婚とは話し合いで成立する離婚です。当事者同士で話し合っても、弁護士同士で交渉しても調停などの法的手続きに移行しなければ協議離婚です。

    話し合いでまとまらなければ調停に移行します。日本においては、訴訟の前に調停を経なければなりません。これを調停前置主義といいます。調停では調停員を通じて双方の言い分を主張します。

    調停でも決着がつかなければ訴訟となります。訴訟では、より厳格な離婚の事由などが求められますので、より綿密な準備が必要です。
    年金を分割したくない、相手に落ち度があるなどのケースでは、協議離婚になる前の段階から弁護士に依頼して、交渉が有利に進むようにしておくことをおすすめします。年金分割だけでなく財産分与などの多額のお金が動きますので、なるべく不利にならないような対策や準備が必要となります。

5、まとめ

離婚の際に全ての年金分割を拒否することはできません。三号分割は双方の同意がなくても手続きが可能だからです。しかし合意分割は、合意がなければ行うことができませんので、話し合いの段階で拒否することが重要となります。
ただし、相手が合意分割を求めて家庭裁判所に申し立てた場合は、認められてしまう可能性があるため、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所 海浜幕張オフィスでは年金分割に関するご相談を受け付けています。離婚の話し合いをする前にご連絡いただくことで、なるべくお客さまが不利にならないように方策をご提案いたします。まずはお気軽にご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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