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違法動画を視聴しただけで逮捕される? 違法ダウンロードに関する法律知識

2021年09月27日
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違法動画を視聴しただけで逮捕される? 違法ダウンロードに関する法律知識

千葉県警察のデータによると、2020年中の千葉県内における刑法犯の認知件数は3万4685件で、前年比7108件の減少となりました。

違法アップロードされた「海賊版」がインターネット上に横行しており、一度は視聴したことがあるという方も多いかと思います。

しかし、実は違法著作物をダウンロードした側も犯罪に問われる可能性があることをご存じでしょうか。軽い気持ちで違法ダウンロードをすると、場合によっては刑事訴追されてしまうこともあり得るので、今一度著作権法上のルールを正しく理解しておきましょう。

この記事では、違法動画の視聴・ダウンロードに関する著作権法上の規制について、ベリーベスト法律事務所 海浜幕張オフィスの弁護士が解説します。

(出典:「刑法犯認知件数の推移」(千葉県警察))

1、違法ダウンロードとは?

違法コンテンツのダウンロードは、2012年の著作権法改正で初めて刑事罰化されました
さらに2021年の改正著作権法により、刑事罰の対象範囲が拡大されています

まずは、違法ダウンロードに関する著作権法上の規制内容を理解しておきましょう。

  1. (1)海賊版ダウンロードは違法

    個人的にまたは家庭内などの限られた範囲内で使用するために著作物を複製することは、原則として適法とされています(著作権法第30条第1項)。
    しかし、インターネット上にアップロードされた侵害コンテンツ(海賊版)を私的に複製する行為は、違法アップロードを助長するものとして問題視されていました。

    そこで、著作権を侵害するコンテンツを、侵害の事実を知りながらダウンロードする行為は、私的使用のための複製に当たらず「著作権侵害」に当たるものと定められています(同項第3項、第4項)。

    なお、現行の著作権法上は、音楽・映画・漫画など、違法アップロードされているあらゆるコンテンツが、ダウンロード違法化の対象になっています。

  2. (2)有償コンテンツの違法ダウンロードは刑事罰の対象

    違法ダウンロードの中でも、有償で配信されているコンテンツを私的使用目的で違法ダウンロードする行為は、刑事罰の対象とされています。

    違法ダウンロードの法定刑は、「2年以上の懲役もしくは200万円以下の罰金」、またはその両方です(著作権法第119条第3項)

  3. (3)ストリーミング視聴は刑事罰の対象にならない

    なお、違法にアップロードされたストリーミング動画を視聴する行為については、ダウンロード違法化および刑事罰の対象にならないと解されています

    ストリーミング動画を視聴する場合、キャッシュデータを一時的にPC等に保存する行為が「複製」に当たるのではないかという点が問題になります。

    この点、著作権法第47条の4第1項第1号では、PC等による情報処理の過程において、情報処理を円滑または効率的に行うために行われる記録媒体への記録については、原則として適法であると定めています。
    この規定は主にストリーミングのキャッシュデータ保存を想定したものであり、ストリーミング視聴が違法ダウンロード規制の対象外であることの根拠とされています。

    ただし、著作物の種類・用途・利用の態様に照らし、著作権者の利益を不当に害する場合には違法となり得る旨が規定されている点に注意が必要です(同条但し書き)
    一般的な方法でストリーミング視聴を行う限りは、違法とされる可能性は低いですが、大勢で観覧するなど、私的使用の範囲を超えるような視聴方法は避けましょう。

2、違法ダウンロードをしても逮捕される可能性は低い

前述のとおり、有償コンテンツの違法ダウンロードは刑事罰の対象とされていますが、実際には違法ダウンロードで逮捕されるケースはほとんど見受けられません

違法ダウンロードによる逮捕がほとんど行われないことには、以下の理由があると考えられます。

  1. (1)違法ダウンロードは「親告罪」|著作権者の告訴が必要

    違法ダウンロードに関する犯罪は、すべて「親告罪」とされています(著作権法第123条)。

    「親告罪」とは、被害者の告訴がなければ刑事訴追できない犯罪のことです。
    つまり違法ダウンロードの場合、被害者に当たる著作権者の告訴がない限り、加害者を逮捕・起訴することはできません。

  2. (2)違法ダウンロードは不特定多数|告訴の可能性は低い

    違法ダウンロードの特徴は、不特定多数のインターネット・ユーザーによって行われているということです。

    権利者の側からすれば、不特定多数の加害者を個別に告訴することは、現実的ではありません。
    そのため、違法ダウンロードをした加害者を、権利者が特定して告訴する可能性は極めて低いといえます。

    しかし、告訴の現実的可能性が低いからといって、違法ダウンロードが犯罪であることには変わりがありません
    そのため、規律意識を持って著作権法の規定を遵守し、違法ダウンロードを犯さないように心がけることが大切です。

3、違法ダウンロードで逮捕・訴追されやすいケースとは?

違法ダウンロードが逮捕・訴追の対象になる可能性は低いとはいえ、以下のいずれかに該当するケースでは、逮捕・訴追の可能性は大きく上がるので注意が必要です。

  1. (1)違法ダウンロードしたコンテンツを転載・頒布した場合

    コンテンツを著作権者に無断で転載したり、第三者に頒布したりする行為は、著作権侵害に該当します。

    転載・頒布による著作権侵害は、違法ダウンロードとは質的に異なるものであり、著作権者から問題視される可能性が特に高い行為です。
    そのうえ、そのコンテンツを手に入れた手段が違法ダウンロードである場合には、二重に法を犯す悪質な行為であると言わざるを得ません。

    したがって、違法ダウンロードしたコンテンツを転載・頒布した場合には、刑事訴追される可能性が上がってしまうでしょう

  2. (2)児童ポルノに該当するコンテンツを違法ダウンロードした場合

    いわゆる「児童ポルノ」の所持等は、児童ポルノ禁止法※第7条各項によって禁止されています。
    ※児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律

    児童ポルノの所持等に関する犯罪は、違法ダウンロードとは違って非親告罪であり、刑事訴追をするのに著作権者の告訴は必要とされません。
    したがって、児童ポルノコンテンツを違法ダウンロードした場合は、逮捕される可能性が上がります

    特に、世間で大々的に違法性が問題となった児童ポルノコンテンツの場合、捜査機関が独自のルートで所持者を洗い出し、逮捕に踏み切る可能性があります
    この場合、一般的なコンテンツを違法ダウンロードする場合よりも、逮捕の可能性が飛躍的に高まってしまうので注意しましょう。

  3. (3)ファイル共有ソフトを利用して違法ダウンロードをした場合

    ファイル共有ソフトを使って侵害コンテンツを違法ダウンロードした場合、同時に違法アップロードにも加担している可能性が高いです。

    ファイル共有ソフトには、一般的に「P2P」という仕組みが導入されており、ユーザーはファイルをダウンロードすると同時に、アップロードも行います。
    つまり、違法ダウンロードと違法アップロードが並行して行われるため、個々のユーザーによる著作権侵害の度合いが、単純な違法ダウンロードよりも大きいと考えられるのです。

    このような性質から、ファイル共有ソフトは著作権者から問題視されるケースが多く、個々のユーザーが摘発される可能性も高いといえます。

4、違法ダウンロードをした場合は弁護士に相談を

軽い気持ちで違法ダウンロードを犯してしまった後、著作権法のルールを正しく理解すると、ご自身の行為が罰せられるのではないかと不安になってしまうでしょう。

前述のとおり、実際には違法ダウンロードで逮捕・訴追される可能性は低い状況です。
しかし、行為がエスカレートすると刑事訴追される可能性も高まりますので、この段階で違法ダウンロードに手を染めるのはやめておきましょう。

もしご自身の違法ダウンロード行為について、逮捕されるかもしれないなどと不安をお感じの場合には、弁護士へのご相談をお勧めいたします。

弁護士は、問題状況を適切に分析したうえで、逮捕される可能性がどの程度あるか、もし逮捕されてしまったらどうすればよいかをアドバイスします。
また、万が一実際に逮捕されてしまった場合でも、寛大な処分を得るための弁護活動を真摯(しんし)に行います。

5、まとめ

違法動画を視聴した後、意図的にPC等へダウンロードした場合、著作権侵害の犯罪に該当します。

現実的には、違法ダウンロードで逮捕・起訴される可能性は低い状況です。
もちろん、全く可能性がないとは言い切れないので、違法ダウンロードに手を染めることはやめましょう。

もしご自身が過去に犯した違法ダウンロード行為について、刑事訴追などの可能性を心配されている場合には、一度ベリーベスト法律事務所 海浜幕張オフィスにご相談ください。
弁護士が親身になって、今後の対処法についてアドバイスいたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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